元ハノイ・ロックスのオリジナル・ギタリストである、ナスティ・スーサイドことヤン・ステンフォースのニュー・アルバム。これは1996年にヤン・ステンフォース名義で発表したアルバム『Vinegar Blood』以来26年振りの作品。先日最新のインタビューで、自身が前立腺癌であるという衝撃的な事実を発表し世界中のファンを驚かせた。このアルバム制作中に診断されたということで少なからずレコーディングに影響があったものの、ようやく完成までに至ったこと、そして現在も継続して放射線治療中であることも公表している。そんな難産の末に生み出された本作は、自身の音楽ルーツでもあり、初期ハノイ・ロックスにも影響を与えたブルーズ・ロックをベースに作られた作品で、既にこのアルバムからは1stシングルであるThen It`s Goneがリリースされている。この曲を聞いて貰えば分かるように、ゆったりと楽しみながらも、未だ衰えぬ彼の音楽に対する情熱を感じてもらえる作品であることが感じ取れるはずである。またこのアルバムは『Family Album』と題されているが、参加メンバーは全員ヤンの親族で構成されており、文字通りファミリー・アルバムとなっている。
【CD】【2022/6/8】
