ドイツのゴシック・メタル・バンド、クレマトリー。その結成は91年にまでさかのぼる。当時はゴシック色を持つデス・メタルをプレイしていた彼ら。93年にマサカー・レコードと契約しリリースしたデビュー・アルバム『Transmigration』は、デス・メタルのヘヴィネスと、ヨーロッパらしい抒情性を併せ持つ傑作として、世界中のエクストリーム・メタル・ファンを虜にした。アルバムを重ねるごとにゴシック色を増し、より幅広い層へとアピールしていった彼ら。97年の5枚目のアルバム『Awake』は、大手のニュークリア・ブラストからのリリースとなった。01年〜03年に活動休止を挟みながら、ニュークリア・ブラストからは計4枚のアルバムをリリース。その後古巣のマサカー・レコードへと復帰し、数枚のアルバムを発表。そしてSteamhammer時代を経て、オーストリアの大手、ナパーム・レコードと契約。20年には15枚目となるアルバム『Unbroken』をリリースした。
そしてこの度、ナパームからの2作目となるニュー・アルバム、『イングロリアス・ダークネス』がリリースとなる。ひたすらダークで耽美的。ヘヴィなドラミングにエピックなキーボード。今回もこれぞゴシック・メタルといった仕上がりで、ヴェテランの貫禄を見せつける。ヨーロピアン・ゴシックの世界観に惹かれるのならば、これほどド真ん中のアルバムはそうそうないだろう。95年のサード・アルバム『Illusions』に収録されていた名曲「Tears of Time」を、ドイツ語で再録しているのにも注目!
【CD】【2022/5/27】
