エリニュスとはギリシャ神話に登場する復讐の3人の女神たちのこと。フランスのゴシック・インダストリアル・メタル・バンド、エリオーズのジュスティーヌ・ダーエ、ブラジルのシンフォニック・ダーク・メタル・バンド、センブラントのミズホ・リン、イタリアのウォーク・イン・ダークネス及びカリディアのニコレッタ・ロセッリーニという3人の女性ヴォーカリストがフロントを務めるこのバンド以上に、エリニュスの名がふさわしいものはいないだろう。
この度、そんな彼女たちがバンド名を冠したデビュー・アルバムをリリースする。3人のアマゾンが、恋の相手を巡り争いを繰り広げるという、バンド編成を見事に生かしたコンセプト・アルバムになっている本作。作曲とプロデュースを担当したのは、アルド・ロノビレ。シークレット・スフィアやティモ・トルキズ・アヴァロンなどへの参加で知られるギタリストであるが、実はイタリアン・ダーク・メタルの帝王、あのデス・SSに在籍していた経歴もある人物だ。音の方は、ヨーロピアン・シンフォニック・メタルの王道を行くものだが、何しろ3人のヴォーカリストが競い合うように歌いあげるのであるから、そのパワーは通常の3倍。ビヨンド・ザ・ブラック、ディレイン、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスあたりのファンならば必聴の作品。
【CD】【2022/12/16】
