女性ヘヴィメタル・シンガーの草分けと言えばこの人、ドロ・ペッシュ。80年代、彼女が在籍していたウォーロックというバンドは母国ドイツだけでなく、アメリカでもビルボードにチャートインするなど、世界的に大きな人気を誇った。89年以降は自身の名を冠したバンドを率いて大活躍。数多くのアルバムをリリースし、特にドイツでは国民的スターと言うべきステータスを獲得している。18年に発表した最新スタジオ・アルバム『フォーエヴァー・ウォリアーズ, フォーエヴァー・ユナイテッド』は、ダグ・アルドリッジをはじめ、クリエイターのミレ・ペトロッツァ、テスタメントのチャック・ビリーら豪華ゲストが参加。相変わらずの力強いシャウトで、女王の威厳を見せつけた。

さて、この度リリースとなるのが『トライアンフ・アンド・アゴニー・ライヴ』と題された、その名の通りのライヴ作品だ。『トライアンフ・アンド・アゴニー』と言えば、87年にリリースされたウォーロック最後のアルバム。メタル・ファンなら誰もが知るアンセム、「オール・ウィ・アー」を含む本作は、ドロ自身もお気に入りの言わずと知れた名盤である。『トライアンフ・アンド・アゴニー・ライヴ』は、彼女の長年の夢であったという『トライアンフ・アンド・アゴニー』を全曲演奏したライヴを収録した作品。とにかくすべてがアツい。これこそヘヴィメタルの理想。ドロのステージングも、それに応えるオーディエンスもとにかくアツい!これを見れば、なぜ彼女がヘヴィメタルの女王であるのかわかるはず。ヘヴィメタル・ファンであれば必見の作品だ!

【メンバー】
ドロ・ペッシュ(ヴォーカル)
ルカ・プリンシオッタ(ギター)
バス・マース(ギター)
ニック・ダグラス(ベース)
ジョニー・ディー(ドラム)
トミー・ボラン(ギター)
【CD】【2021/09/24】