ドイツを代表するベテラン・スラッシュ・メタル・バンド、デストラクションがライヴ作品をリリース!と言うと熱心なファンは、「あれ?この前もライヴ出さなかったっけ?」と思うことだろう。そう、確かに前作『ボーン・トゥ・スラッシュ』(20年)もライヴ・アルバムだった。
だが、今回は少々勝手が違う。まず、『ライヴ・アタック』と題された今回の作品は、長年彼らのホームグラウンドであったニュークリア・ブラストを離れ、ナパーム・レコードという新天地からのリリースになっている。そして今回の作品は、パンデミック下で行われたストリーミングのライヴを収録したものである。
また『ボーン・トゥ・スラッシュ』はCDのみのリリースであったが、今回はBlu-rayもリリースされるのが嬉しい。そして何よりこの『ライヴ・アタック』、全22曲と前作の倍以上のボリュームになっているのだ!「トータル・ディザスター」、「インヴィンシブル・フォース」、「トーメンター」、「アンチクライスト」、「デス・トラップ」などの往年のクラシックから、最新スタジオ・アルバム『ボーン・トゥ・ペリッシュ』の曲まで、これでもかとデストラクション・ワールドを楽しむことができる。何よりも目玉は、「リジェクト・エモーションズ」、「サイン・オブ・フィアー」、「リリース・フロム・アゴニー」といった、『Mad Butcher』EP(87年)、『Release from Agony』(87年)期の楽曲が復活していること!この短い期間、デストラクションはセカンド・ギタリストを入れ、4人編成で活動をしていた。
だが、99年のシュミーア復帰以降はトリオ編成を貫いていたため、なかなかライヴでこの時期の楽曲を披露できなかったのだ。だが19年、ダミア・エスキッチが加入。久々に4人編成となったことで、シュミーアは常々「『Mad Butcher』、『Release from Agony』の曲も復活させたい」と、口にしていた。それがついにライヴ作品として、全世界のデストラクション・ファンにお披露目となった訳である!『Release from Agony』は、ことさらここ日本で人気の高いアルバム。デストラクション・ファン、スラッシュ・ファンならば、『ライヴ・アタック』を見逃す手などあるはずもない!
【CD】【2021/08/18】
